Webマーケティングをインハウス化するためのステップ

昨今のマーケティング施策は、デジタル広告、コンテンツマーケティング、SEOなど、多岐にわたり情報も溢れています。そのため「競合他社が◯◯を実施しているから」「まずは流入を増やさないといけないと聞いたことがあるから」など、施策の実行から着手してしまいやすいです。

このように施策を始めると、施策の優先度をつけられず、リソースが分散してしまい、結果的にどの施策に効果があったかわからないままで、時間と費用は費やすもののなかなか成果が出ません。そうならないためにはどのように施策を進めていけばよいかをご紹介します。

👫 市場の大きさ×課題の深さからターゲットを決める

施策を実施する対象とする顧客=ターゲットを定めます。課題の深さは「顧客がどれほど真剣にその問題を解決したいか」、市場の大きさは「どれくらいの潜在顧客がいるのか」を示します。立ち上げ期は、競合が少なく導入意欲が高い層へ訴求しやすい深刻な課題を抱えるニッチ市場がおすすめです。

🔍 行動プロセスを可視化する

カスタマージャーニーマップ(顧客が製品やサービスを利用するまでのプロセスを図式化したもの)やパーセプションフロー・モデル(消費者の購買行動を、その “認識” の変化に沿って描き、それをもとにマーケティング活動を設計するためのフレームワーク)を使い、顧客がサービスを認知し、比較検討を経て導入・継続利用に至るまでの道筋を整理します。

📍ボトルネックを特定

ボトルネックとは「改善すれば成果が大きく伸びるポイント」を指します。各行動プロセスを具体的な数値(例:フォームの通過率、広告のCTR、LPからの問い合わせ率)で取得・ユーザーへのヒアリングなどに基づいた定性情報から現状を把握し、その中で離脱率が最も高いポイントがボトルネックになります。

このボトルネックを経営や事業戦略との整合性を考えながら、KGI=最終的に達成したいゴール(例:月間売上○○万円、契約社数××件など)と、KPI=KGI達成のために追うべき指標(例:問い合わせ数、商談化率、トライアル導入数など)を設定します。

🔖 施策のアイデア出しと優先度付け

顧客の行動プロセスから考える方法と競合他社の事例をリサーチする方法のふたつがあります。その中でボトルネックの解消に直結する施策の優先度を高く設定します。

📉 実行後の検証サイクルを構築

効果測定のデータをダッシュボードなどで定期的に確認し、成果が出た施策は強化、成果がでていない施策は原因を深掘りして改善します。

下記記事ではこのステップをより詳細に説明しているので、詳細を知りたい方は合わせてご確認ください。
マーケティング組織の立ち上げ5ステップ~ターゲット設定から施策実行まで〜
https://note.com/mysource_tani/n/n3f2c0fc140f5

インハウス化しやすい?しにくい?Webマーケティングの主な施策

Webマーケティングの施策・チャネルには、短期的に効果を検証しやすいもの(デジタル広告・SNS運用など)と、長期的な取り組みが必要なもの(SEO・コンテンツマーケティングなど)に大きく分かれます。結論からいうと、インハウス化のメリットを活かしやすいのは、短期的に効果を検証しやすい施策です。このセクションでは施策の特徴を紹介しながら、インハウス化に向いているかどうかをご紹介します。

デジタル広告

メール
マーケティング

コンテンツ
マーケティング

SNS運用

SEO

専門知識の必要性

高

中

中〜やや高

低〜中

高

作業量

中〜やや多

中

多

中

中〜多

外注時の費用

中〜高

中

中〜高

中

中〜高

迅速なPDCAの必要性

高

中

低

高

高

インハウス or 外注
どちらが向いているか

インハウス

インハウス

外注

インハウス

外注

デジタル広告(ディスプレイ/SNS/動画/アフィリエイトなど)

デジタル広告は、検索クエリやオークションの状況、ターゲットのオンライン行動などが刻一刻と変わる性質を持っています。たとえば、リスティング広告では新たな競合がキーワード入札に参入したり、季節要因で検索ボリュームが急増・急減したりという事象が、日・時間単位で起こります。

そうした変動を見極めて素早く入札戦略やキーワード、クリエイティブを調整することは、広告費の無駄を最小限に抑えて成果を最大化するうえで不可欠です。もし外注すると、確認や承認に時間がかかりタイミングを逃してしまう可能性が高くなります。

また、広告代理店に外注する場合、一般的に代理店手数料としておおよそ成果の20%前後の費用がかかります。運用規模が拡大すればするほど手数料総額も増え、長期的に見るとコスト負担がかなり大きくなるケースもあります。

リアルタイムでの改善の必要性や費用の発生の観点から、デジタル広告は「費用対効果を高めるうえで、手数料を抑えつつリアルタイムに運用を改善しやすい」という特徴があり、インハウス化をした方が成果を出しやすいと考えられます。

メールマーケティング(メルマガ・ステップメール)

顧客と定期的に接点を持つことを目的とした施策です。製品の新規リリースや機能改善、営業担当からのユーザー意見のフィードバックなど、社内各部署とのやり取りを通じてタイムリーなコンテンツをメールに反映することが施策の効果を出すことにつながりやすいため、インハウス運用との相性が良いでしょう。

コンテンツマーケティング(オウンドメディア、ブログ、ホワイトペーパーなど)

ユーザーが求めている情報や知識を記事や資料として提供し、ブランドや製品への信頼度を高め、リード獲得やSEO評価向上を図る施策です。コンテンツマーケティングは、インハウス化するよりも外注する方ががおすすめです。

理由としては、記事やホワイトペーパーなどのコンテンツはリリースすると、デジタル広告のように短期間で効果を測定し即座に変更を加える必要があまりなく、効果が出るまでに時間がかかります。

また、コンテンツ制作にはライティングやデザインといった専門領域のクオリティが求められます。興味を引くタイトルや読みやすい構成、SEOを意識したキーワードの配置、記事の印象を大きく左右するバナーや記事内の図表なども、デザインソフトの操作スキルやクリエイティブセンスが必要になります。長期間かけてPDCAを回す必要性が高く、専門性が高い領域であることから、外注した方がよい施策といえます。

下記記事ではコンテンツマーケティングの施策毎にインハウス化のメリットデメリットについて詳細に説明しています。
・インハウス?外注?コンテンツマーケティングを安定的に運用する体制構築のコツ https://www.mysource.jp/knowledge/inhouse-contentmarketing

SNS運用(Facebook、Instagram、X など)

SNSを活用し、フォロワーや潜在的な見込み客に届け、拡散やコミュニケーションを通じてブランド認知やファン育成を行う施策です。投稿を日々考えて作成し、細やかなユーザーとのコミュニケーションを続けることで効果が高まるため、スピーディーに対応する必要があります。また、社内の日々の様子や独自の視点を捉えて発信したほうが、ブランディングにつながるため、外注よりもインハウスで運用するメリットは大きいでしょう。

SEO(検索エンジン最適化)

SEO施策とは、検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、自社サイトを上位表示させるための取り組みを指します。日々の検索順位やサイトアクセス状況を観察し、コンテンツ修正やキーワード選定、内部リンク調整などを素早く行うことで効率よく成果を高められます。こうした短いサイクルでのPDCAを回すうえでは、外部に依頼するよりインハウス化のほうがコミュニケーションロスを避けられ、施策の修正も随時やりやすいです。

ですが、SEOはアルゴリズムが頻繁に更新されたり、常に知識のキャッチアップが求められたりと、専門性の高い領域です。そのため、運用担当者が検索エンジンの最新動向や業界の動きをキャッチアップをする必要があるため、リソースが足りない場合は外注することも検討しましょう。

下記記事ではコンテンツSEO・テクニカルSEOのインハウス化について詳細に説明しています。
コンテンツSEO・テクニカルSEOのインハウス化を最小限のコスト×最適な体制で実現するためのステップ
https://www.mysource.jp/knowledge/inhouse-seo

Webマーケティングをインハウス化する際に意識したいポイント

複数チャネルの一貫性

デジタル広告、SNS、コンテンツなど、施策ごとに見込み客との接点が変わっても、訴求するメッセージやブランドイメージがぶれないように設計してください。たとえば、広告では「価格の安さ」を強調し、SNSでは「品質の高さ」を主張していると、ユーザーが混乱しやすくなります。メッセージトーンやデザイン、キャンペーンのタイミングなどを社内で統一しておくと、複数のチャネルが相乗効果を生みやすくなります。

担当や進捗などを可視化・共有

プロジェクト管理ツールやスプレッドシートを活用して「誰が、いつまでに、どの施策を進めるか」をリスト化しましょう。週次や月次の定例ミーティングも設定し、そのリストを確認すれば、作業の重複や漏れを防ぎ、各施策の状況をチーム全体で把握できます。また、施策を推進している最中に問題が起きた際も、責任の所在が明確になるため、早期対処が可能です。

▼イメージ
タスク・カテゴリー・担当者・追っているKPI・ステータス・リリース日などを表形式で可視化されている

施策の管理表の例。広告クリエイティブ改善やホワイトペーパー資料追加などの施策ごとに、カテゴリ、KPI、ステータス、実行月、優先度、予想コスト、予想効果などの列を並べている

施策の成果をリアルタイムでチェックできるダッシュボードの整備

Google アナリティクスのレポートやリスティング広告の管理画面を個別に見るだけでは、チーム全員で数値を共有しにくいことがあります。そこで、データスタジオなどのBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを使って、主要な指標(PV、CV数、広告費、CPA、CTRなど)をひとつの画面に集約する工夫をするとより成果を共有しやすくなります。

▼ダッシュボードイメージ

ダッシュボードの例。セッション数の推移、CV数の推移、流入元別セッション数の推移、流入元別CV数の推移の4つのグラフを1画面にまとめている

まとめ

Webマーケティングをインハウス化する際は、まず最初に明確な戦略を立てることが肝心です。闇雲にインハウス運用に踏み切ると、目的が曖昧なまま施策を実行してしまい、期待する成果を得られないリスクが高まります。

一方で、すべてを自社で回す必要はなく、施策ごとにインハウスと外注を使い分けるのも有効な選択肢です。たとえば短期間でのPDCAを回す必要性が高いリスティング広告やSNS広告は自社で運用し、コンテンツ制作は専門会社に依頼するなど、部分的に外注を活用すると負担を軽減することができます。最初の設計段階で自社の強みやリソース、外注との線引きを見極め、戦略的にインハウス化を進めることが成功の近道と言えます。

マイソースでは、デジタル広告運用やSEO対策などの具体的な施策から、マーケティング全体の戦略設計に至るまで、企業の状況や目標に合わせて柔軟にサポートしています。

そもそもマーケティングをどう始めればいいか分からない、どういう順序で施策を導入すれば効率的なのか、といったマーケティングを始める際にぶつかりやすい課題についての相談から、最終的にはマーケティング施策をインハウス化できるよう伴走型で支援しています。

ご興味がある方は下記からお気軽にご相談ください。

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